立て続けに登場です。ナガマツです。
店頭にいると、多くの方が「リフレッシュできた―」とか、
「これ着て仕事がんばろー!」といいながら帰られます。
リフレッシュと活力。
まさにその通りで。
お客様のそのご様子を拝見して、私たちも元気をいただいています!
洋服を買う時に、「でも、自己満なんだよねー」という言葉を耳にするときがありますが。
自己満は何の趣味だって自己満ですし、加えていうなら「マナー」としての側面、
きちんとした大人としての作法的な部分もあるのでは??
そして、自分らしさの表現の一つでもあると思います。
華美に着飾るのとは違いますからね(^_-)
先日始めてご来店された方とお話している時に、「クロスブリッジにお越しの方は、物を大事に長く着る方が多い」
というようなことを話題にしました。
そしたら、その方が「それって本当の意味のエコですよね。私もそんな風にお気に入りの服を揃えていきたいな。」とおっしゃいました。
<目から鱗>だったとのことで。
コーディネート帳を作ってお渡ししていることや、お直し、お手入れの話もしたので、さらにそう思われたのかもしれません。
「友達にも伝えてまた来ます!!」と勢いよく言われていたのが印象的でした。
さて。
お直しといえば・・・
モリモリとお預かりした事例があります。
(書くことが溜まりすぎて、早よ書かんけんそげんなるとよ!!と自分に言い聞かせながら書きます。)
高校生の時に購入されたという20年ほどのコート(黄色)と、他店で購入したけどサイズが合わなくて昨冬着ずに終わったコート(ツイード)。
左は、当時人気だった「SCOOP」というブランドのもので、おねだりして百貨店で買ってもらった想い入れのある品とのこと。
大学時代の後輩の物なので、世代が近く、デザインにも色合いにも懐かしさを感じます。
まずは時代を物語る肩パッドを外します。
でも、まだまだ「ごまかしの服」が少なかった時代。
縫製や組み立てが複雑だけど、丁寧です。
縫い目がきれいなので、すぐにパラパラと分解できます。
パッドを外したら、元に戻し部分的に手縫いで補強します。
小柄な子なので、肩幅を詰めるのではなく、袖丈をわざと短くしてバランスをとるようにしました。
そうしたほうが、コートのややレトロで甘めなデザインが引き立つように感じたからです。
ついでに、ボタンをキリリと見える黒い釦にチェンジ。
艶ナシの質感が、モードな印象も与えます。
これが修正前。袖もヌボッとします。レトロ感がずいぶん強すぎるかなーと。
そして、お次が修正後。(持ち主さんが実際着ています。)
持ち主さん「修正前も私が着て撮らないかんやったね・・・」
永松「いやいや、私が忘れるけんいかんとよ」
持ち主「ごめんね・・・BEFORE⇔AFTERわかりにいかもね・・・」
永松「わかるよ、でも私がすぐ忘れるもんやけん(;´Д`)」
・・・みたいな会話がひとしきり続いたのはいうまでもありません。
そして。もう1着も。
私が着ても結構な長さあります。
おまけにボタン位置がやや下気味で。
小柄な持ち主さんには、全体的に重心が下にあるような印象。
肩は幸い今風に小さめですので、着丈と袖を調整します。
ほどけやすいツイードなのに・・・裏地の中は切りっぱなしで生地の端がむき出しです・・・😢
ホツレを止めるテープで布の端いたるところに補強を。
エレガントに着るコートなのに・・・分解したら全然エレガントではない(゜o゜)(;´∀`)
聞けば納得でした。<福袋>に入っていた商品だそうで。
パッと見でいえば、ラメの入ったツイード素材で、クロスブリッジの店頭にあるコートたちより全然華やかです。
でも、アウターでこの編みの大きさだと知らないうちに引っ掛けるんですよね・・・😢
店頭分としては、私は選ばないだろうなと思いながら。
作業を進めます。
修正前。
修正後。(また私が着てる・・・)
ちなみに、バランスを考えてボタンの位置も変えてます。
着古していった時の影響も考えて、裾をわざと切っりっぱなしに。
この切りっぱなしは、着用を重ねた際のくたびれた感じが目立たなくなるテクニックです。
そして、持ち主さんの元へ!!
バランスが良くなったし、いろんな長さのボトムに合わせられるようになったかなーと、自画自賛しております。
どんな風に分解、調整したか話すついでに、端の処理や縫い方についても少し話をしたのですが。
「やっぱりそんなもんなんやー、もう福袋は買わん!」と言ってました(;^ω^)
うん、でもせっかく手元に来たものだから、しばらくは着てくれると思います♬
大満足そうだったので。
ついでに言ってしまえば。
私が店頭に並べる商品について、細かくチェックするのは、そんな製品をお客様に手にしてほしくないからです。
「こだわり」とか「洋服愛」とか言われるけど、そんな壮大なことではなく。
常識的な商品を、着る方にとって失礼のない商品を届けるために邁進しているといった方がしっくりきます。
私が細かいところを気にして、仕入れるものを選定するのは、着る方にとってできるだけ心地いい製品を届けるため。
「洋服大好き!!!」という時期はとうに越して、いまは違う山を目指しているような感覚です。
このリペアやカスタムを通じて、私が洋服に求めること、店頭への商品への意識が伝わればいいなーといつも願っています。
そして。この方のお言葉が、私が求めていることのそうまとめかもしれません。
「キレイ目のジャケットとかで、内側見たらロックミシンで始末しただけって!アレがとてつもなく気持ち悪く感じるんだよね!」
<Luxluft>のデザイナー、児玉さんが先日の春展でズバリと言ってました。
「わかります!それ!!」「あと裏地がインポートの生地でカワイイとかも意味わかんないです」
「無駄に高くなるし(+_+)」
といって盛り上がっているのを、偶然居合わせた他のショップの方が若干引いてそうでした(笑)
そんな感じで、クロスブリッジ。意思の疎通ができる方々とお仕事できております。
児玉さん、クリーニング師の勉強もしたって言ってましたし。
何かすごいなと思います。
敵わないなと思う気持ちと、追い付かなきゃと思う気持ちと両方です。
そんなところで、明日は5時起き。祭りの支度です。
祭りが済んでお店に戻ったら、女性のお客様と盛り上がりたいな♡
ダウンもすべて揃い、厚手のセーターも動き始めました。
洋服談義に盛り上がれるのを楽しみにしています。
<JNBY>JNBYのもーっさりニット!
色違いの白もいいのですが。
まずはブラックを早速着てみました。
これ、すぐ巣立ちそう・・・・・欲しい・・・(心の声また漏れてます)
<POLPETTA>のサンダル、タイツと合わせたら期待を大きく上回る仕上がりに。
お持ちの方、やってみてください♬
では。ご覧いただきありがとうございました!!